プラモデルカメラ Lomography Konstruktor F
本来はフジヤカメラに行くことが目的だった。
「カメラバカにつける薬 in デジカメ Watch」でも取り上げられてて、その前から気になってたのもあって中野に行った。
特に買うつもりもなかったので雰囲気だけ知れればいいやというようにそそくさと出たのだが、ジャンク館が中野ブロードウェイにあるということで行ってみた。
そういえば中野ブロードウェイも気になってたんだし一石二鳥だった。
するとコイデカメラがあった。Lomography Konstruktor F があった。
動くしくみを理解しながら自分で組み立てるのが好きでカメラも好きな自分が惹かれるのは当然という感じだった。
そのときは散財する予定はなかったしそのまま帰ったんだが高々4000円ぐらいだし買ってもよかったなと後から思った。
帰って Lomography を調べてその写真にやられてしまった。買うしかなくなった。
直営店 Lomography+ が末広町にあるみたいだからせっかくだしそこで買うことにしつつ、メルカリで同じく Lomography のトイカメラの Diana Mini も買った。
前書きはこの辺りにして、これが組み立てる前の Konstruktor F だ。
おしゃれな箱に入っているがちょっと雑な作りで中身の精度が心配になる。しかし、中身は削ったりお湯で曲げたりしなくてもちゃんと嵌まる精度だ。
材質はランナーパーツが ABS と POM。ランナーに付いていない部品がおそらく PS だろう。
ABS はねばりのある素材で、POM は摩擦係数の低い素材である。ABS は昔から、POM は最近のミニ四駆でも使われている。PS はプラモデルで一般的な素材で塗装がしやすい。
そう塗装だ。
ただ組み立てるだけじゃおもしろくない。せっかく自分好みにいじくれるのだから何かしたい。ということで、塗装することにした。
塗装で注意するのは、ABS と POM にはプライマーというものを事前に塗装すること。そうしないと、塗装がパラパラと剥がれてしまう。そしてそのプライマーは PS には絶対に塗装しないこと。プライマーは PS を溶かし、ひどいときには中に浸透し脆くしてしまう。
難しい場合は、PS のパーツつまりランナーに付いていない外装のパーツだけを塗装するのがいいと思う。
もう1点注意するのは、内側には塗装しないこと。これは自分が失敗してしまったんだが、塗装してしまうとギアの回りが悪くなる箇所がある。ちゃんとマスキングをしよう。自分は事前に下記の記事で注意されていることを読んだにもかかわらず雑に塗装してしまい、調子が悪い原因を特定してそこでやっと注意を思い出した。頭が悪い。
後は組み立てなんだが説明書が分かりやすいとはいえない。プラモデルメーカーの組み立て説明書がいかに分かりやすいのかが分かる。
しかし、説明書と現物とそのしくみを考えれば組み立て自体はすぐ終わる。
ここでも注意点があって、1つは下記の記事でも言及されているがねじを留めるところの説明が1箇所抜けている。この記事は1つ前のモデルの名前に F が付かないもので、ここで言及されている誤謬のうちそのねじ留めの箇所1点以外は改修されている。
個人的なこのプラモデルのハイライトは巻き上げダイヤルのロック・解除機構で、こういうアイディアを実感できるところが動き物を作る醍醐味だ。とても楽しい。
しくみを言葉で説明しても、実物を見ないことには実感できないのでぜひ自分の手で作って納得の快感を得てほしい。
(B22 パーツは誰によって回されるのか?P8 パーツが P1 パーツをロックした後、それを解除するのは誰なのか?巻き戻し時はなぜロックされないのか?辺りを考えるとよいと思う。)
手順13・14でギアの位置を細かに指定されるけど、これが意味があったのかが不明。なんだったんだろう。
おそらく複雑だったんだろうミラー跳ね上げ部分は組み立て済みなんだが、説明書に組み立て方が載っているのでバラして動作の確認ができるところもいい。
そんなこんなで組み上がったのがこちら。(ところで α6300 + Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS で特に考えずさくっと撮ったのにいい味が出ている。)
ファインダーを覗くとこんな感じ。よく見るアイレベルファインダーではなくウェストレベルファインダーというやつだ。プリズムがない。
意外と写ることに感動するはず。
せっかくなのでフィルム1本撮ってきた。フィルムは Fujifilm Superia X-Tra 400。(撮り終わったと思ったら7枚ぐらいまだ残っていた。しくみ上最後になるほどダイヤルが重くなるのでそれで勘違いしたのかもしれない。)
ちゃんと写ってる。すごい。
左右反転像なので慣れないと左右の向きと回転を合わせるのがこんがらがる。(少女2人の写った写真はいかにもこんがらがったもの。)
Diana Mini と比較するとびっくりするほどブレていない。あっちは目測フォーカスでこっちはちゃんと確認できる。そしてシャッター押下時のブレの大きさの違いだろう。Diana Mini はシャッターを切った後のレバーの遊びが大きすぎてすごくブレる。
巻き上げ・巻き戻しが固くて指の皮が痛くなるけど、しばらくはこれで撮影しようと思う。